現代能「長崎の聖母」NY公演

「長崎の聖母」は、免疫学者の多田富雄先生が、原爆投下前後の長崎純心高等女学校生を襲った悲劇をつづる「焼身―長崎の原爆・純女学徒隊の殉難(高木 俊朗 (著))」をもとに書きおろされた現代能です。2005年11月に能楽師清水寛二さんによって、浦上天主堂で初演され、以後、被爆65周年祈念公演でも公演されるなど好評を博してきました。

この「長崎の聖母」が今年の5月14日~16日にニューヨーク公演を行います。現地の人々に、日本の文化とともに原爆の実態を知って貰おうとの思いから、核拡散防止条約再検討会議(NPT)の開催に合わせての公演となりました。アメリカでは、原爆投下を戦争を終わらせる正当な手段だとする意見が一般的です。その中で原爆の被害を強調するのではなく、能を通じて、長崎の人や想い、歴史を知ってもらい、核兵器廃絶への関心を高める必要があります。長崎の聖母が舞う姿が、ニューヨークの人々に何かを伝えてくれることを願ってやみません。

(吉村まさとし)